2026年4月27日に開業したばかりの「奈良監獄ミュージアムby星野リゾート」に行ってきました!
明治時代に建てられた五大監獄のうち、唯一現存する奈良監獄。
赤レンガ造りの建物は重要文化財に指定されていますが、なんと2017年までは罪を犯した少年たちが生活していたといいます。
その監獄を、補修こそ行ったものの当時の「本物」の少年刑務所の姿のまま残した奈良監獄ミュージアム。
見所だらけだったので、記事にしようと思います。

独房での囚人体験!?
監獄ミュージアムには、中身はもちろんのこと、少年たちを囲う長くて高い塀も現存しています。

高い塀に当時は金網だったり、返しだったりがついていたかもしれません。
高く聳える煉瓦造りの塀を見上げて、ちょっと脱獄は大変そう(完全に無理ではなさそう笑)と思いました。
しばしば囚人ドラマなどで、「塀の向こう」という表現を耳にしますが、実際に”塀の中”に入ってみると、ここで塀の向こうにいる親や友人、恋人に想いを馳せる囚人の気持ちを想像するだけで、やるせなくなります。
そんな塀の内側、順路になっている道を歩いていくと、すでに囚人たちが暮らしていた建物が見えています。

現代の僕たちの暮らしからはまるで想像つかない、時代観も世界観もまるで違う、まさに異世界のような雰囲気です。
ここにたった9年前まで実際に囚人がいたのだと思うと、彼らの遺した罪の声が今も息づいているように思えてきます。
ぐるりと回り、建物の中へ。
「監獄」という言葉がぐるりを囲む塀まで適用されるのだとしたら、この建物は「牢獄」という言葉が正しいでしょうか。

左右にはずらりと独居房が並び、一番奥には看守たちが業務をする空間があります。
看守たちは、四六時中、その空間から独居房を監視しており、異常を認めるとすぐに駆けつけられるようになっていました。
さて、この独居房ですが、三畳一間。
入り口の扉は重く、鍵も現代ではまず見ない、銀行の金庫くらい厳重そうなものがついています。

ドアには封筒を投函できるくらいの薄い小窓に、看守が独居房の中を確認するための格子戸、それから食事を配膳する小窓の3つの窓がついています。
この窓のすべて、人間の頭よりサイズが小さく作られているそうです。
なぜなら人間は窓から頭が出ると、肩を外して脱走することができるからだといいます。
キンカムの白石やん!と思わず笑ってしまいそうになりますが、奈良監獄は明治にできた五大監獄の1つです。
あながちキンカムとはそう遠くない世界観で、だとすると白石のように肩や関節を外して脱走を図るものがいても不思議じゃありません。
さて、独居房の中にも入ることができます。
僕も牢獄にぶちこまれて、きちんとこれまでの行いを反省してきました笑

部屋の中は先ほど書いた通り三畳一間。そのうちの一畳はトイレや洗面台になっているので、実質は二畳です。
窓は高い位置に取り付けられており、こちらも格子戸です。
夜は9時に消灯ということで、昔も今も、ずいぶんと美しい月を眺めることができるそうです。
その月を眺めながら何日、何ヵ月、何年とここで過ごす少年の気持ちを慮んばかると、なんとも言えない気持ちになります。
2階は絶景だけど……
「牢獄」は地上2階、地下1階となっており、どちらも行くことができます。
2階は1階と同じく独居房が並び、地下は主にお風呂場となっています。

2階に上がって1階を覗き込んだ時、淡い光に浮かぶ石畳のような床を見て、
「back numberのジャケ写やん!」とついつい思ってしまいました。
そのくらい、”いい雰囲気”の眺めなのです。
「監獄」という先入観からは想像できない景色で、不意打ちを食らった僕には絶景にも見えました。

ただ、この絶景、「わあ、いい景色だね」では終わらせられません。
遠くに水平線を望む断崖絶壁と同様、この眺めを前に2階から身を投げる囚人がたくさんいたといいます。
狭い部屋に入れられ、自由の中で不自由を強いられ、生きる希望もなければ死ぬための道具や手段もない。
追い詰められた彼らは、独居房の外にいる時に身投げを図ったといいます。
さて、今度は地下にいきます。
地下にはお風呂場があります。
(写真撮ってない!!!😭)
お風呂場といってもそんな”ええもん”ではなく、煉瓦なのか石灰なのか、剥き出しの水場は見て快いものではなく、自分が入浴すると思うと身の毛がよだつといいますか、サブイボが立ちます。
そのままお風呂場を通りすぎると、別の建物に繋がっています。
そこからは「A棟」から「C棟」まで、ミュージアムらしい展示がなされています。
監獄の構造や、実際に働いていた看守の語りの映像、五大監獄の外観や概要などが学べます。
なんといっても囚人たちの平日と休日のスケジュールが書かれた時間割や監獄内でのルール、食事など、実際の囚人の暮らしを肌感覚で知ることができます。

中には囚人たちが制作した漫画、絵画や習字、詩などの芸術作品が展示されており、それぞれ胸に迫るものがあります。
最奥にはポストカードを書き、投函することのできる広間があるのですが、かつて「奈良監獄」に関わった人々が今回改めて訪れて感じたことや当時の想い、そして未来について綴ってあり、
およそ10年前までこの奈良監獄にいた人たちの人生は今でも続いているんだなと考えさせられました。
9年前まで実際に少年がいたということは、少年刑務所ですから当時18歳の囚人の方もいたことでしょう。
9年後の今、彼は27歳になっているはずです。僕より、1歳年上ですね。
そう思うだけで、奈良監獄という漫画っぽい響きが一気に身近なものへと変わります。
自分と同年代の少年たちが監獄の中で何を想い、どんな生活をしていたのかを知れる、非常に有意義な時間でした。
自由刑という名の不自由

奈良監獄は明治時代に建てられたと先に書きました。
明治前といえば江戸時代です。
学芸員の方によると、江戸時代まで日本では「身体刑」という刑罰を行っていたといいます。
たとえば体中に鞭を打ち込んだり、正座した太股の上に石を載せていったり、
いわゆる拷問です。
太秦映画村がリニューアルして、江戸時代の拷問を体験できるというのがプチ炎上していましたね。
まさに映画村で体験できる拷問を日本では行っていたわけです。
ですが時代の最先端だった西洋では、身体刑というのはすでに行われなくなっており、「自由刑」が導入されていたといいます。
自由刑とは、犯罪者を監獄に入れ、社会との接触はないものの、牢獄の中で衣食住は確保され、一般人と変わらず「自由」に生活することができる
といったニュアンスだそうです。
牢獄の中にさえいれば自由時間は何をしてもいい。
ただ、外には出られないし誰かとおしゃべりをすることもできない、食事は出るけど好きなものを食べに行くことはできない、
最低水準の生活は確保されるものの、冷暖房もなく、閉鎖的な空間に閉じ込められることで心身に自分の犯した罪の重さを気づかせる。。。
一種の刑罰として、是か非かは僕には判断できません。
監獄が税金で運営されていると思えば、どうして自分たちの納めた税金でこんな立派な建物が作られ、罪人に衣食住が提供されているのか、とも思いますし、
自分が何年もここに入れられて、自由とはいえ過酷な環境で心身ともに削られる毎日を過ごすと思うと、果たして耐え抜けるだろうかと考えてしまいます。
今の僕には、「自由刑」の是非について答えを出すことはできません。
ここまで読んでくださった方も、きっとそうじゃないでしょうか。
監獄ミュージアムに来て、その是非を問うのもよし、より悩ましく思うのもよしだと思います。
今後何年も、監獄ミュージアムは続いていくでしょう。
星野リゾートが手を上げて、この監獄がホテルにもなるそうです。
しかし開業してまもない5月に来場した僕は、9年前までいたという囚人たちの体温を感じることができました。
それはたぶん、今しか感じられないことだと思います。
重要文化財ではあるけれど、まだ「遺産」にはなっていないと思いました。
僕は監獄ミュージアムとは何の関係もない部外者ですが、おすすめです。
最後に、人の少ない時に撮影した監獄の写真を載せておきます。

監獄の前後――アイスとカフェと鹿さんと
奈良監獄ミュージアムは2時間ほどですべてを回ることができます。
中にはカレーパン推しのカフェもあり、見学の後にゆっくりできる場所もあります。
ただ、せっかく奈良に来て、監獄ミュージアムだけ行って帰るのももったいないので、近場で立ち寄れるところを調べていました。
まず監獄ミュージアムに向かう前に立ち寄ったのが「植村牧場」です。
本物の牛がいて(牧場なんだから当たり前)、その牛から採れた乳牛を使ったソフトクリームを購入。
真夏と言っても誰も疑わない暑さにピッタリです。

繊維が見えるくらい繊細で、乳牛を使っているためか甘すぎず、本当においしい。
ただ、やはり暑すぎて、日向で食べているとすぐに溶けてしまいます……。
でも、本当においしかったのでおすすめです。
さて、監獄ミュージアムの後は、またまた徒歩圏内のカフェへ。
純喫茶の「純喫茶シンロク × オーシマドーナツ奈良店」へ。
ミュージアム近くを下調べしていた時にドーナツの写真を見て「絶対に行きたい!」となったお店です。
注文したのはチョコドーナツとメロンソーダ。

純喫茶といえばメロンソーダ。か、レモンスカッシュというイメージがあります笑
お店も昭和レトロな雰囲気ですまさに純喫茶。
どっぷりと雰囲気に浸っちゃいます!
味はもちろん、最高です。
ドーナツの中にチョコクリームがたっぷり入っていて、めちゃくちゃ甘い!
さらにはドーナツの外面に振りかけられたパウダーの甘いやつ(料理の知識なさすぎて、ごめんなさい🙇)も口の回りにつくくらいたっぷりとかけてあって、本当においしかったです。
いくらでも食べられそう🤤
さて、カフェから歩いて15分ほどの場所には世界遺産「東大寺」があります。
すでに東大寺は閉門している時間だったので、鹿さんでも見ようと参道へ。
修学旅行シーズンだったのか、制服を着た学生、それから海外からの観光客でものすごい人でした。
東大寺には何度か訪れたことがありますが、鹿の角は綺麗に取られていた記憶があります。
なので今回、立派な角が生えた鹿がたくさん歩いていて、「かっこいい✨」とうっとり。

そのまま奈良公園で鹿と触れ合い、この日は奈良を満喫しまくったのでした。
立地的にも、ミュージアム以外にたくさん楽しむことができるので、1日がかりのお出掛けにもおすすめです!
学びあり、楽しみあり、寄り道ありの「奈良監獄ミュージアム」でした!!!
最後に囚われの僕を置いておきます。

「出してくれー!」😭


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